エクセルの強力な機能の1つは、計算式を使ってデータの分析や整理を可能にすることです。特に売上管理表や利益管理表などでは、売上、各費用項目、利益計算など、多くの情報が一度に把握できます。
しかし、これらの管理表に含まれる多くのセルは、計算のために存在するものであり、直接に値を入力することはありません。なぜなら、これらのセルは既に他のセルのデータを元に計算を行っており、その計算式が誤って変更されたり、意図しないデータが入力されると、全体の計算結果に大きな影響を及ぼす可能性があるからです。
そこで、計算セルの保護は非常に重要な作業となります。
セルの保護を行うことで、誤った操作による計算式の変更や不適切なデータの入力を防ぎ、全体のデータの整合性と正確性を確保します。それにより、エクセル表が意図しないエラーや混乱を招くことなく、スムーズに運用することが可能になります。
このように、セルの保護はエクセルにおけるデータ管理の信頼性を高め、業務効率化を更に推進します。無駄な手間やミスを削減し、より正確な情報に基づいて意思決定を行うことができるのです。したがって、全てのエクセルユーザーにとって、セルの保護は非常に重要な機能であると言えるでしょう。
セルの保護の手順(Office365の場合)
Office 365のエクセルでセルの保護を行う手順は以下のとおりです。この手順は、特定のセルのみを保護する場合のものです。
1. まずは、全てのセルを選択します。これは通常、シートの左上隅にある四角形(行番号と列の文字が交差する箇所)をクリックすることで可能です。
2. [ホーム]タブの[書式]グループにある[セルの書式設定]をクリックします。
3. [保護]タブを選択し、[ロック]のチェックボックスをオフにしてから、[OK]をクリックします。これにより、全てのセルの保護が解除されます。
4. 次に、保護したいセルを選択します。
5. 再び[ホーム]タブの[書式]グループにある[セルの書式設定]をクリックします。
6. [保護]タブを選択し、[ロック]のチェックボックスをオンにしてから、[OK]をクリックします。
7. 保護を有効にするためには、[レビュー]タブの[シートの保護]をクリックします。
8. 必要なら、パスワードを設定します。そして、許可する操作を選択し、[OK]をクリックします。
以上の手順により、特定のセルを保護することができます。これにより、そのセルに対する編集や削除を防ぐことができます。
シートの保護の手順(Office365の場合)
一つのシート全体が計算用である場合、シート全体を保護することも可能です。以下の手順で行えます。
1. [レビュー] タブをクリックします。
2. [シートの保護] をクリックします。
3. 必要に応じてパスワードを設定します。このパスワードはシートの保護を解除する際に必要となります。
4. 保護オプションの中から必要なものをチェックします。例えば、「セルの選択」や「セルの書式設定」などの項目をチェックすると、それらのアクションが制限されます。
5. [OK] をクリックしてシートの保護を有効にします。
これにより、そのシート全体が保護され、誤って内容が変更されることを防ぐことができます。ただし、保護したシートの内容を変更するためには、[レビュー] タブの [シートの保護の解除] をクリックし、設定したパスワードを入力する必要があります。